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co2溶接とは?

co2溶接とは?

CO2溶接とは、正式には「炭酸ガスアーク溶接」と呼ばれるもので、二酸化炭素(CO2)をシールドガスとして使用する金属アーク溶接の一種です。一般的にはMIG/MAG溶接の一種として知られ、特にMAG(金属活性ガス)溶接に分類されます。この方法では、連続的に供給される溶接ワイヤが電極となり、ワークとの間でアークを発生させて金属を溶かし、接合します。その際、CO2ガスが溶接部を空気中の酸素や窒素から保護し、酸化や汚染を防ぎます。
メリット
  1. コストが低い
    CO2ガスは他のシールドガス(例えばアルゴンやヘリウム)に比べて安価で入手しやすいため、運用コストを抑えられます。特に大量生産や大規模なプロジェクトで経済的です。
  2. 深い溶け込み
    CO2を使用するとアークが強力で、溶け込みが深くなるため、厚い材料の溶接に適しています。構造物や重機の製造などで重宝されます。
  3. 高い生産性
    スラグ(溶接後の残渣)がほとんど発生しないため、後処理の手間が少なく、連続作業が可能です。電極交換の必要もないので、作業効率が上がります。
  4. 錆や汚れに強い
    CO2のアークはクリーニング作用が強く、錆やミルスケール(酸化皮膜)をある程度取り除きながら溶接できるため、下準備が簡略化される場合があります。
  5. 幅広い用途
    全姿勢溶接(水平、垂直、頭上など)が可能で、炭素鋼や低合金鋼など多くの素材に適用できます。
デメリット
  1. スパッタが多い
    CO2のみを使用するとアークが不安定になりやすく、スパッタ(溶けた金属の飛び散り)が多く発生します。これにより仕上げが粗くなり、後処理が必要になることも。
  2. 薄板に不向き
    深い溶け込みと強いアークのため、薄い金属を溶接する際には穴が開いたり歪んだりするリスクがあります。薄板にはアルゴン混合ガスの方が適しています。
  3. アークの安定性が低い
    純粋なCO2を使うと、他の混合ガス(例えばアルゴン+CO2)に比べてアークが安定しにくいため、見た目が美しくない溶接になることがあります。
  4. 酸化のリスク
    CO2は高温で分解して酸素を放出するため、溶接部がわずかに酸化する可能性があります。特に非鉄金属(アルミニウムや銅など)には不向きで、炭素鋼に限定されがちです。
  5. 屋外での使用に制限
    ガスが風に流されやすいため、屋外や風の強い環境ではシールド効果が弱まり、溶接品質が落ちることがあります。風よけ対策が必要になります。
まとめ
CO2溶接は、低コストで深い溶け込みが得られるため、厚い鋼材を使った構造物の製造や修理工事に向いています。ただし、スパッタの多さやアークの不安定さ、薄板への不向きさといった課題もあるので、用途や条件に応じて他のガス(例えばアルゴンとの混合ガス)と使い分けるのが一般的です。
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