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EIA規格とは?

EIA規格とは?

EIA規格とは、「Electronic Industries Alliance(電子産業同盟)」が定めた電子機器や関連部品に関する標準規格のことを指します。EIAは、アメリカの電子産業団体で、かつては「Electronic Industries Association」と呼ばれていました。この団体が策定した規格は、電子機器の設計、製造、互換性を確保するために広く使われてきました。現在は活動を停止していますが、その規格は多くの分野で引き続き参照されています。
特に有名なのは、EIA-310というラックやキャビネットに関する規格で、今でもサーバールームやデータセンターでよく耳にします。ここではその代表例を中心に説明します。
EIA-310(19インチラック規格)
EIA規格の中で最も知られているのが「EIA-310-D」や「EIA-310-E」で、これはサーバーや通信機器を収納する「19インチラック」の標準を定めたものです。
  • 特徴:
    • ラックの幅が19インチ(約482.6mm)で、機器の取り付け部分の規格が統一されている。
    • 高さは「U(ユニット)」で表され、1U=1.75インチ(約44.45mm)。
    • 取り付け穴の間隔や形状(通常はM6ネジ)が決まっていて、機器とラックの互換性を保証。
  • 用途:
    • IT機器(サーバー、ルーター、スイッチなど)の設置。
    • オーディオ機器や放送機器の収納にも使われる。
  • :
    • サーバールームでよく見る金属製のラックは、この規格に基づいて作られています。
    • 「4Uサーバー」とか「42Uラック」といった表現はEIA規格由来です。
その他のEIA規格
EIAは他にも多くの分野で規格を策定していました:
  • EIA/TIA-568: ネットワークケーブル(例: ツイストペアケーブル)の配線規格(T568Bなど)。
  • EIA-232: シリアル通信の規格(RS-232として知られる、古いPCのCOMポート規格)。
  • EIA-530: 高速シリアル通信用の規格。
メリット
  1. 互換性: 異なるメーカーの機器でも、同じEIA規格なら問題なく組み合わせられる。
  2. 効率化: 設計や設置が標準化されているので、時間やコストが削減できる。
  3. 汎用性: 世界中で採用されているため、グローバルな基準として機能。
注意点
  • EIA自体の活動停止: 2011年にEIAは解散し、現在は他の団体(例えばTIAやJEDEC)が関連規格を引き継いでいる場合も。ただし「EIA規格」の名称は慣習的に残っている。
  • 地域差: 主にアメリカ発の規格なので、ヨーロッパや日本では一部異なる規格(例えばIECやJIS)が使われることもある。
VESA規格との違い(補足)
前の質問で出てきたVESA規格が「ディスプレイの取り付け」に特化したものなのに対し、EIA規格(特にEIA-310)は「ラックやキャビネット全体」の規格です。例えば、VESAでモニターをアームに付ける一方、EIAラックにサーバーを収納して運用する、といった形で役割が異なります。
簡単に言うと、EIA規格は「電子機器をキレイに収めるためのルール」で、特に19インチラックはITやオーディオの世界で超定番です。